東京都品川区は1日、75歳以上の高齢者がいる全世帯に飲料水を届ける「高齢者熱中症見守り宅配事業」を始めた。熱中症予防と経済支援が目的で、所得制限は設けない。9月末までに計2回届ける予定という。
1日午前、区内に住む藤田和子さん(79)宅に、スポーツドリンク、麦茶、水の500ミリリットルのペットボトル計12本が入った荷物が届けられた。区が委託した配送事業者は配送時に「クーラーを使っていますか」「日常生活でお困りごとはありますか」などといった熱中症予防に関する5項目の聞き取りも実施。藤田さんは「直接持ってきてもらえるのはありがたい。顔なじみの配達員さんなので安心感もある」と喜んだ。
区によると、対象は約3万7千世帯。配送時に高齢者や家族と対面して聞き取りをすることで、必要に応じて民生委員や在宅介護支援センターなどにつなぐ仕組み。視察した森沢恭子区長は「高齢者は熱中症のリスクが高い。自宅にうかがって声かけをして『見守り』をしていくことで、高齢者の安心・安全につなげていきたい」と話した。